今回はちょっとドイツの政治についてコメントしておきましょう。
というのも、ドイツで再選挙が行われるのか、行われないのか、ここ、ものすごい重要なポイントとなってくるからです。最近よく聞きますね、メルケル首相ピンチという話を。
今後起こりうる2つのパターンを、ものすごく簡単な図式でいえば、
パターン1
ドイツ社会民主党(SPD)という第二政党が、メルケル首相率いる側の政党(CDU・CSU)と組むという
→大連立政権
→再選挙回避の方向
パターン2
SPDが、CDU・CSUと組まないよという
→再選挙の方向
超単純な図式ですが、要はSPDが鍵を握ってます。
シュタインマイヤー大統領がドイツ社会民主党 (SPD)のシュルツ党首と会談、大連立模索か
現地報道によれば、ドイツのシュタインマイヤー大統領が、23日、ドイツ社会民主党 (SPD)のシュルツ党首と会談したとのこと。
シュタインマイヤー大統領が、総選挙回避のために、動いている様子がうかがえます。
シュルツ党首と会談したシュタインマイヤー大統領とは
ところで、シュタインマイヤー大統領って誰やねんと思われた方。
ドイツで有名なのはメルケルさんですが、こちらは「首相」。あと、ドイツには大統領もいます。それが、シュタインマイヤー大統領。
今年の2月ですが、シュタインマイヤー氏が大統領になると決まった際、私の方でも記事を書きました。シュタインマイヤー大統領って何者やねんと思われた方は、復習の意味で下記記事をどうぞ。
SPDのシュルツ党首、再選挙回避のため、大連立に動くのか、動かないのか。動いても厳しい、動かなくても厳しい。いったいどうする。
今の状況をざっくり整理すると。
SPDってのはメルケル首相のCDUとずっと連立組んでましたが、前回の選挙で得票率をものすごく減らしてしまい、結果として、SPDのシュルツ党首は、CDUから距離を置く(連立組まない)ことを決断しました。
で、メルケル首相はSPDなしで他の党との連立を目指してましたが、これがうまくいかず。
メルケル首相、ピンチ。
再選挙を回避すべく、最後の切り札としてメルケル首相が頼みにしてるのは、今やSPDしかないという状況。
一方、SPDのシュルツ党首は、大連立はないといってきました。
そして今回、大統領が登場、大統領自らシュルツ党首と会談といった状況。
シュルツ党首が意見を変え、大連立組みましょうといえば、再選挙が避けられ、カオス的な状況はとりあえずひとまず避けることができます。ただ、これまで大連立はないと主張してきた人物です。シュルツ党首、話が違うじゃないか、何のために大連立組まないと言ってきたんだという人も出てくるでしょう。また、CDU・CSUに埋もれた状況を繰り返すのかという人もいるでしょう。
しかし、逆に、主張を曲げず、これまでと一貫して大連立はないですといったところで、これはこれで問題です。ついこの前あまり得票できなかったSPDですから、再選挙でもあまり期待ができない状況となってます。要は、SPDとしては、再選挙は本当は避けたいのです。
非常に難しい立場。
SPDのシュルツ党首にとっては、非常に難しい決断となります。彼の動きに要注目です。