ラガルド専務理事がドイツ銀行問題について興味深い見識を示す。
ドイツ銀行の米司法省との和解については、いくつか私のほうでも記事を書いています。そんな中、ラガルド専務理事がこの問題に関してもコメントしました。私も関心があり見ていたので少し付け加えてコメントしたく思います。
低金利環境に対応するため、世界の銀行の多くは事業モデルを改革する必要がある
ドイツ銀行の話の前に、まず世界の銀行の事業モデルの話をしています。
ロイターによると、専務理事は低金利環境に対応するため、ドイツ銀行を含め大手行の多くは、低金利環境下で長期的に収益を確保するため、事業モデルを見直す必要があるとの考えを示したとのこと。
ドイツ銀行を含め大手行の多くは、低金利環境下で長期的に収益を確保するため、事業モデルを見直す必要があるとの考えを示した
この発言に関しては全くごもっともとしかいいようがないでしょう。ちなみに私の方では最近は地銀の動きに注目をしています。例えば、先日下記の記事を書きました。
[地銀は生き残れるのか] 2025年、なんと地銀の半数超が本業赤字になる。金融庁試算。地銀は協業と新たな収益モデルを考える必要があ
地銀はこの事業モデルの転換(新たな収益モデルの創造)を早急に行っていかないと、生き残っていくのが厳しくなるという話をしています。
さて、ラガルド専務理事のドイツ銀行問題に関しての発言を見ましょう。
ラガルド専務理事がドイツ銀行問題について、裁判沙汰にするよりも、可能な限り早期に米司法省と決着する方が望ましいとの考えを示す
6日のBloombergによると、国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事はドイツ銀行の問題について、裁判沙汰にするよりも、可能な限り早期に米司法省と決着する方が望ましいと述べたとのこと。
国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事
ドイツ銀行の問題について、裁判沙汰にするよりも、可能な限り早期に米司法省と決着する方が望ましいと述べた
なぜ裁判沙汰にするよりも和解の方が好ましいのかが以下。
なぜIMFのラガルド専務理事はドイツ銀行は米司法省と裁判ではなく、和解すべきと考えているのか。内容の良しあしにかかわらず、和解は常に裁判に勝る。
上記Bloombergによると、ラガルド専務理事は6日、ブルームバーグテレビジョンに対し「内容の良しあしにかかわらず、和解は常に裁判に勝る」と発言したとのこと。
「ドイツ銀行の件は明らかに訴訟に持ち込まれる様子ではないが、間違いなく和解を歓迎する。同行がどれだけの負担を抱えなければならないのか、引当金でカバーできるのかといった問題に対し、一定の確実性がもたらされるからだ。従って早期決着に越したことはない」と述べたとのこと。
ラガルド専務理事は6日、ブルームバーグテレビジョンに対し
「内容の良しあしにかかわらず、和解は常に裁判に勝る」と発言
「ドイツ銀行の件は明らかに訴訟に持ち込まれる様子ではないが、間違いなく和解を歓迎する。同行がどれだけの負担を抱えなければならないのか、引当金でカバーできるのかといった問題に対し、一定の確実性がもたらされるからだ。従って早期決着に越したことはない」
和解は常に裁判に勝る。けっこう深い言葉かと思います。
もちろんラガルド専務理事が言っているように、和解の方向には向かっています。問題はいくらかなんですが。
ただ今回の発言は、和解で進むのは間違いないと思うが、もし交渉が決裂しても、ドイツ銀行は裁判沙汰にはしない方がいいよと予め釘を刺しているようにも思えます。不確定要素は増やさない方がいい。示唆に富んだ発言だと思います。
IMFのラガルド専務理事はもともと弁護士だからこそ、「和解は常に裁判に勝る」と発言
ところで、一つ加えたいのは、なぜラガルド専務理事が「和解は常に裁判に勝る」と発言したのか。私がこれを見た時、ラガルド専務理事は、自分にはもともと弁護士の背景がある、ということを付け加えたうえで、この発言をしていました。
確かに、ラガルド専務理事は前にベーカー&マッケンジーという法律事務所のお偉いさんでした。というわけで、今回のドイツ銀行に関する発言は、ラガルド専務理事のこれまでの仕事の経験を踏まえたうえでの発言と見て取れます。
さて、ラガルド専務理事の発言をドイツ銀行はどう受け止めるのか、要注目です。