富士の大きな野望。

 

富士フイルムホールディングスは和光買収は既存事業との相乗効果が大きいと見込んでおり、医療事業1兆円という中期目標に向かう足場にしたい考え

日経新聞によると、富士フイルムホールディングスは武田薬品工業傘下の試薬大手、和光純薬工業を買収し、和光と既存事業との相乗効果が大きいと見込んでいるとのこと。和光買収は、医療事業1兆円という中期目標に向かう足場にしたい考えとのこと。古森重隆会長兼最高経営責任者(CEO)は成長の源泉と位置付けて医療分野に多額の資金を投じてきたとのこと。

 

  • 富士フイルムホールディングスは武田薬品工業傘下の試薬大手、和光純薬工業を買収
  • 和光買収は既存事業との相乗効果が大きいと見込んでおり、医療事業1兆円という中期目標に向かう足場にしたい考え
  • 古森重隆会長兼最高経営責任者(CEO)は成長の源泉と位置付けて医療分野に多額の資金を投じてきた

 

富士フィルムの和光純薬買収。このあたりのドラマの結果は、昨日たんまりと書きました。まだ読んでおられない方はぜひどうぞ。

[和光純薬買収争奪戦の結果がおもしろすぎる] 富士フイルムが武田子会社である和光純薬工業買収へ。買収額は驚きの2000億円規模。富士は和光をどうしても買いたかった。武田は和光を上手に売った

 

昨日の記事でも、私のほうで、古森CEOが医療系M&Aを推し進めてきた書きました。昨年、私が聞きに言った古森氏の講演会の時も、その話はたんまりと聞くことができました。

 

買収の話は昨日たっぷり書いたので、今回は、富士フィルムの医療1兆円目標と和光純薬の関係について、もう少し整理しておきましょう。

 

 

富士フィルムは19年3月期に医療関連事業の売上高1兆円を目指している。和光純薬には、売上高1兆円に向け、事業全体を下支えする役割を期待している。

上記日経新聞によると、富士フィルムは和光純薬に対し、19年3月期に目指す医療関連事業の売上高1兆円に向けて、事業全体を下支えする役割を期待しているとのこと。

 

  • 19年3月期に目指す医療関連事業の売上高1兆円に向けて、事業全体を下支えする役割を期待している

 

下支え」とあるように、和光に対しては、事業全体のベースにいるような存在にしたいという期待のようなものが見えてきます。和光は試薬のエースではあるものの、売り上げは1000億円超えていませんから、1兆円を目指すことと和光をつなげるのは無理がありますので、これは理解できるところ。

 

昨日も書いたように、富士フィルムは現在和光の第二位株主ですから、和光のことはちゃんと知っていると思われます。和光が既存事業との相乗効果があると見込んでいるとしていますが、これは自身の経験に基づいたものではあるでしょう。

 

 

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富士は和光と他の医療事業でどのような相乗効果などを見込んでいるのか

上記日経新聞によると、富士フイルムは和光買収により、医薬品で販路の相互活用、再生医療で基礎技術の取り込みが期待できると読んだとのこと。

 

  • 富士フイルムは医薬品で販路の相互活用、再生医療で基礎技術の取り込みが期待できると読んだ

 

和光の技術を上手に使いながら、医療1兆円を目指す、と。

 

古森氏は、これまでの医療M&Aの実績もあり、何か考えがあるのでしょう。この読みはあたるのか。そして、富士は医療1兆円へ向かうのか。

 

 

富士の和光買収。富士は和光を上手に育てて、医療1兆円を目指さないといけない

今回は買収金額が思った以上に膨れました。日立化成の上限をオーバーした形。ここまでして買うからには、和光に対して市場も期待してますし、富士フィルムがどのように和光を育てていくのかに大変注目が集まります。

 

間違ってもしてほしくないのは、和光を扱いきれず、和光が他の医療分野と相乗効果を生まないようなケース。

 

特に、要注目点として、富士の次の買収がどうなるのか。ここに私は注目しています。

 

 

富士はまだ手元資金もある。和光の売上も1000億円に満たない。次なる標的はどこか。

上記日経新聞によると、東芝メディカルの買収戦に敗れたことで富士フイルムは和光を手に入れても差し引き5000億円弱の「予算」を残した計算になるとのこと。

 

  • 東芝メディカルの買収戦に敗れたことで富士フイルムは和光を手に入れても差し引き5000億円弱の「予算」を残した計算になる

 

私も以前書いたように、富士は東芝メディカルに手をあげたのだから、金はたんまり持っています。5000億円弱の予算とのことで、次なる標的があると見ていいでしょう。

 

富士フィルムの次の標的がどこにせよ、和光とうまくフィットするところを発掘してほしいですね。

 

富士の次の標的、和光買収が完了する前から既に楽しみにしておきます。

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