この記事を書いたのは5000億円の損失が出るという話だったときですが、その後、1日も経たないうちに、記事最後にあるように、損失額は7000億円まで膨らむ可能性という話が出てきました。

 

ただ、問題の本質は変わっていませんから、数字を置き換えて考えていただければと思います。

 

東芝の米原子力事業で発生する損失が、最大で5000億円を超える可能性。最終赤字を避けられない東芝は、日本政策投資銀行に資本支援を要請。

日経新聞によると、東芝の米原子力事業で発生する損失が、最大で5000億円を超える可能性が出てきたとのこと。

 

2017年3月期の連結決算に反映する損失額は算定中のものの、最終赤字は避けられないとのこと。自己資本が大きく毀損する見通しとなり、東芝は日本政策投資銀行に資本支援を要請したとのこと。今後、他の取引銀行にも協力を求め、財務や事業構造の立て直しを急ぐとのこと。

 

  • 東芝の米原子力事業で発生する損失が、最大で5000億円を超える可能性が出てきた

  • 2017年3月期の連結決算に反映する損失額は算定中だが、最終赤字は避けられない

  • 自己資本が大きく毀損する見通しとなり、東芝は日本政策投資銀行に資本支援を要請した

  • 今後、他の取引銀行にも協力を求め、財務や事業構造の立て直しを急ぐ

 

損失が5000億円を超える可能性。昨日わりと前向きな話が出ていただけに、きつい話。

 

 

昨日、東芝が米社との出資交渉(半導体事業の分社化の計画)をしているという、わりといい材料が出ていた。

私の方でも昨日、東芝について書いています。

 

[東芝が米社と出資交渉、交渉相手はあのWD] 東芝が四日市工場を共同運営しているウエスタンデジタル(WD)から出資を受ける交渉。その他のファンドなども関心。東芝が稼ぎ頭の半導体事業を遂に分社する段階にきている

 

東芝が、稼ぎ頭の半導体事業を分社化し、距離の近いウエスタンデジタルやファンドにも出資をしてもらうための交渉をしているという話でした。

 

東芝が遂に半導体事業を分社する時にきており、出資交渉を行っている。短期と長期で金が必要な東芝にとっては、原発事業でとんだ失態をしてしまった今、これをどうにか修正して会社を立て直すという意味では、悪い話ではありませんでした。

 

その翌日の今回の話。

 

さて、何が問題となっているのかの復習と、そして、核心の、5000億円超とはどういうことかについてみてみましょう。

 

 

なぜ東芝の損失は5000億円を超える可能性があるのか。当初東芝は、のれんを約105億円と見積もっていた。東芝は損失が数千億円規模になる見通しを公表していたが、追加コストを精査した結果、直近では4000億円から最大で5000億円を超えるシナリオを提示しているもよう。

上記日経新聞によると、東芝の原子力子会社、ウエスチングハウス(WH)が15年末に買収した米原子力サービス会社、CB&Iストーン・アンド・ウェブスター(S&W)で損失が発生するとのこと。

 

S&Wは原発の建設などを手がけるが、米国内での工事費や人件費などの追加コストが膨らみ、買収時の想定を上回る巨額のコストが発生する事態に陥ったとのこと。

 

東芝は当初、買収価格と実際の企業価値との差額を示す「のれん」を約105億円と見積もっていたとのこと。

 

追加コストの発生が判明し昨年末に損失額が数千億円規模になるとの見通しを公表したが、金融機関には最大で5000億円になるとの見通しを示していたとのこと。

 

追加コストを精査した結果、直近では4000億円から最大で5000億円を超えるシナリオを提示しているもようとのこと。実際に東芝の連結決算にどれだけの損失を反映させるか、監査法人と協議を進めているとのこと。

 

  • 東芝の原子力子会社、ウエスチングハウス(WH)が15年末に買収した米原子力サービス会社、CB&Iストーン・アンド・ウェブスター(S&W)で損失が発生する

  • S&Wは原発の建設などを手がけるが、米国内での工事費や人件費などの追加コストが膨らみ、買収時の想定を上回る巨額のコストが発生する事態に陥った

  • 東芝は当初、買収価格と実際の企業価値との差額を示す「のれん」を約105億円と見積もっていた

  • 追加コストの発生が判明し昨年末に損失額が数千億円規模になるとの見通しを公表したが、金融機関には最大で5000億円になるとの見通しを示していた

  • 追加コストを精査した結果、直近では4000億円から最大で5000億円を超えるシナリオを提示しているもよう

  • 実際に東芝の連結決算にどれだけの損失を反映させるか、監査法人と協議を進めている

 

むちゃくちゃな話です。のれんを約105億円と見積もっていたのに、損失が5000億円を超えるかもしれないなんて話。

 

 

東芝はむちゃくちゃな会社を買ったウエスチングハウス(WH)をコントロールできなかった可能性。東芝は原発事業で勝負するなら、すべてのリスクを把握していないとっけない。買って1年ぐらいの会社でもうむちゃくちゃな話になっている。

さて、CB&Iストーン・アンド・ウェブスター(S&W)という会社を買ったのは、東芝の子会社のウエスチングハウス(WH)です。

 

この会社、以前からウエスチングハウス(WH)と一緒にプロジェクトをしていましたが、特にコストの点などにおいて問題があったと言われています。

 

ウエスチングハウス(WH)は、様々な問題をコントロールする意味も込めて、このCB&Iストーン・アンド・ウェブスター(S&W)を買収したといわれています。

 

のれんは当初約105億円と見積もられていました。それが、損失額が膨らみ、今や5000億円超の損失の可能性があるとなっています。

 

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そして再度確認しておくと、WHがこのとんでもない買収をしたのは、2015年末。

 

つまり、現在買ってから1年ちょいの会社です。

 

買って1年ちょいなのに、5000億円超の損失とかいう話になってるわけです。結局は、問題ありの会社を買っているという点と、そんな会社を買ってのれん約105億円とか言ってる時点で、やばいわけです。

 

ウエスチングハウス(WH)は東芝が会計不祥事で揺れている間に、こういうことをしていますが、WHは東芝の子会社。東芝はWHを適切にコントロールする必要があります。

 

東芝は原発事業でやっていくということを明確にしたわけですから、リスクの細部にまで目を通す必要があります。WHの買収がまずかったのは当然として、東芝経営陣もあまかったのは言うまでもありません。

 

 

数千億円規模と聞いて5000億円をイメージしている人は少ない。徐々に膨らんでいく東芝の損失、いったい損失はどこまで膨らむのか。一刻も早い損失の算定と公表を。

そもそも東芝の損失は数千億円規模と公表されました。数千億円というぼんやりした数字を聞いて、5000億円をイメージしてる人は数少ないことでしょう。

 

3000億円になる可能性があるよということで騒がれた時期がありましたが、それから、5000億円を超えるかもしれないなんて話になってきた。いったいどこまで損失は膨らむのかと思ってしまいます。

 

東芝は、一刻も早く明確な損失額を出し、さらに、出資交渉含め、財務の立て直しを迅速にする必要があります。

 

[更新] 東芝の損失は最大7000億円か。どこまで膨らむかわからない。数千億円というぼんやりした数字は微妙だった。最大という数字が膨らみ続ける悲惨なサイクル。

この記事を書いた後、19日に各種報道機関が報道したのは、東芝の損失が7000億円まで膨らむ可能性があるというもの。

 

上記記事を書いた時点で、どこまで膨らむかわからないといった話をしていたわけで、本当にそんな話になってきているわけです。数千億円というぼんやりした数字を公表し、7000億円になる可能性といわれても、投資家は納得できないでしょう。本当にどこまで膨らむのか。

 

最大、最大といって、この数字が膨らみ続けている。経営陣が相当だらしがない。

 

そもそも、東芝は本当にこの子会社の実態をつかめているのか。非常に不明確なところ。

 

一刻も早く監査法人と一緒に明確な数字を出していただきたいところ。

 

この話の続き

東芝が原子力事業を最重点から外す。ウエスチングハウスをどうコントロールするかを示さないといけない。東芝の原子力事業も分社される可能性

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