相談役廃止。
私はかつて、海外で度々、「相談役とはいったい何なのか」を説明するのに苦労したことがありました。確かにこのポジション、分かりにくい。
今回はJ・フロントリテイリングの相談役廃止の話。
J・フロントリテイリングが相談役制度を廃止。ただ、現職相談役である奥田務元会長と茶村俊一前会長の2人は特例を設けて留任へ。
日経新聞によると、J・フロントリテイリングが相談役制度を廃止するとのこと。
ただ、制度廃止は新任にとどめ、奥田務元会長(77)と茶村俊一前会長(71)の2人の現職相談役は特例を設けて留任するとのこと。
大手小売りで相談役制度をなくす例は珍しいとのこと。
J・フロントリテイリングは相談役制度を廃止する。
ただ、制度廃止は新任にとどめ、奥田務元会長(77)と茶村俊一前会長(71)の2人の現職相談役は特例を設けて留任する
大手小売りで相談役制度をなくす例は珍しい
考察: 相談役は海外の投資家には分かりにくい。上場企業は相談役の明確な役割を示す必要があるように感じる。
相談役、海外の投資家には非常に分かりにくい存在です。
私もたびたび質問をうけました。
この相談役というのは、いったい何なのか、と。
私がよく覚えている事例では、某上場企業の相談役がけっこう権力を持っており、かなり存在感を発揮していた事例。あの人物はいったい誰なんだ?彼のポジションはいったいなんだ、と。
この相談役がキーマンか、そんな流れにもなりました。
上記日経新聞によると、日本では社長や会長退任後も相談役や顧問として経営に関与し続ける例が少なくないとのこと。例えば東芝の場合、複数の相談役による影響力行使が経営危機を招いた一因との指摘があるとのこと。
日本では社長や会長退任後も相談役や顧問として経営に関与し続ける例が少なくない
例えば東芝の場合、複数の相談役による影響力行使が経営危機を招いた一因との指摘がある
東芝の場合はいろいろ問題になりました。
特にインパクトが強かったのが、西田氏。西田氏は公の場で社長を非難したりしてましたし、いったいどれだけ権力を持った人間なんだという印象を残しました。不正会計の際もプレッシャーをかけまくっていたという話でしたね。
中小企業はともかく、上場企業は、投資家ありきの上場企業です。
やはり、投資家に説明する責任があるでしょう。
各上場企業は、相談役とはいったい何なのか、投資家に向けて、明確にその役割を示すことが必要だと思います。
なぜJ・フロントリテイリングは相談役を廃止するのか
上記日経新聞によると、産業界全体に対し、経営トップ経験者による「院政」につながるとの批判が増えていることに対応するとのこと。
企業統治を強化し、経営の透明性を高める狙いとのこと。
経済産業省は3月、相談役・顧問について情報開示の拡充を求める報告書をまとめたとのこと。投資家の間にも相談役・顧問制度に疑問を呈する声が増えているとのこと。Jフロントの方針は、こうした動きを受けたものとのこと。
産業界全体に対し、経営トップ経験者による「院政」につながるとの批判が増えていることに対応する
企業統治を強化し、経営の透明性を高める狙い
経済産業省は3月、相談役・顧問について情報開示の拡充を求める報告書をまとめた
投資家の間にも相談役・顧問制度に疑問を呈する声が増えている
Jフロントの方針は、こうした動きを受けたもの
投資家には分かりにくいというのは上記で書いたとおりです。
J・フロントの今後の相談役廃止プロセスは
上記日経新聞によると、Jフロントは5月25日の株主総会に定款変更を提案し、規定廃止を正式に決めるとのこと。
一方、現任の相談役については「終任時まで効力を有する」との付則を設けるとのこと。2013年に会長兼最高経営責任者(CEO)を退任してから相談役に就いている奥田氏らは、任期満了まで現職にとどまるとのこと。
Jフロントは5月25日の株主総会に定款変更を提案し、規定廃止を正式に決める
一方、現任の相談役については「終任時まで効力を有する」との付則を設ける
2013年に会長兼最高経営責任者(CEO)を退任してから相談役に就いている奥田氏らは、任期満了まで現職にとどまる
このような動きは今後加速するのか、要注目です。