5月26日の記事、タカタが遂にラザード(投資銀行)に助けを求めた!一体どうなってしまうのか。はタカタ問題に関心のある皆さまに好評いただき、その中では、ラザードという有名投資銀行はリストラの計画とタカタへ出資する企業探しをするであろう、という筋書きをお伝えしました。まだ読んでおられない方は、ぜひ背景をお読みいただきたく思います。

 

さて、今回は、ラザードさんがえらく早い仕事をしていていいと思いますが(速さに関してはグッドジョブ)、遂にタカタへの出資に名乗りでてきた(検討中)企業があります。アメリカの会社、key safety systems (キーセイフティシステムズ)及び、中国のNingbo Joyson Electronic (ちまたではNingbo Joyson、またはjoysonと省略されることの方が多い)です。といっても、この最初に出したキーセイフティーという会社、これはNingbo Joyson Electronicの子会社です。つまり、Ningbo Joyson Electronicに買収された会社ということです。だから、結局は中国系企業です。中国企業、きましたねぇ。

 

さてさて、Ningbo Joyson Electronic、多くの皆さまにとっては謎めいているかもしれません。でも、このNingbo Joyson Electronic、タカタのライバル会社を買収したことで最近少し話題になりました。日本企業の買収ではなかったから、日本ではあまり話題にならなかったですかね。で、どこの企業を買収したのかっていうと、それがまさしくこのアメリカのキーセイフティという会社です。このキーセイフティという会社、まさしくタカタのライバル会社です。

 

そして。このキーセイフティという会社は、タカタのライバル会社ということで、タカタが苦戦している間に、量産、量産のラッシュで盛り上がりまくっている会社でもあります。おもしろいでしょう。鴻海とシャープの時とは話の角度が全く違いますからね。

 

さらに。Joysonが、キーセイフティを買収するといったのは数カ月前の話ですが、このディールがクローズされたのはいつだと思いますか?それはこれです。

Joyson is looking to build on its $920 million acquisition of Takata competitor Key Safety Systems Inc., which closed today, Key Safety CEO Jason Luo told Crain’s Detroit Business, an affiliate of Automotive News.

6月2日のAutomotive newsの記事より

 

まぁ要するに、joysonはキーセイフティを9億2000万ドルで買収したということでしたが、なんとクロージングは6月2日です。というと、クローズしたその日に、タカタを買うかもしれへんで、といってるわけですよ。とんでもないでしょう。なんというスピード感やねん、と。

 

ちなみにjoysonは今年、ドイツ企業も買収しています。TechniSat Digital GmbHっていう会社を今年2億ドルで買収しています。

Besides Key Safety, Joyson bought the automotive division of Germany’s TechniSat Digital GmbH for $200 million this year

6月2日のAutomotive newsの記事より

 

はっきりいいましょう。こんなスピード感ですから、投資するにしても、タカタの実情を知るのはこれからでしょう。タカタはお金を出資してもらわないともうどうにもならないわけですが、問題を長引かせたようなレベルの経営陣を交渉の前面に出していくと、もうずだずだにされますよ。私は幸いなことに経験あるんで見ちゃいけないものも見たことありますけど、ガチな交渉ですから。シャープの時だって、経営陣のしょうもなさが露呈してしまいましたが、今回も、経営陣がちょっと心配です。誰が前面にでて話をすすめるのでしょうか。

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