米yahoo (ヤフー)が基盤の独自技術を含めた特許、3000件を売却。業績に好影響と見た投資家がyahoo (ヤフー) 株にむらがり、1.5%の上昇へ。一体この特許は誰が買うのか、そして、なぜこの特許は無視できないのか。
yahoo (ヤフー) 独自の検索技術の特許まで含まれている
8日のウォール・ストリート・ジャーナルの独自取材によると、米yahoo (ヤフー) は約3000件の特許を競売にかけたとのこと。売却額は10億ドル(約1070億円)を超える見通しだそうです。そして、注目すべきは、この特許の中には、yahoo (ヤフー) 独自の検索技術も含まれているとのこと。この結果を受け、米ヤフーの株価は1.5%上がりました。ヤフーは大事なところを売りにきて、本当のExitを実現しようとしているわけです。
なぜ特許が無視できないのか、どのような特許に価値があるのか。Facebook (フェイスブック)を例にあげて説明してみる
特許というのは大切ものです。インターネット会社におってはこれはなおさらです。今回、このヤフーの特許をなぜ多くの会社がほしがるのか、理由を今日は2つあげてみたいと思います。
- ヤフーにとって根幹の独自の検索技術等の特許が含まれている
- 訴訟対策
1は問題ないでしょう。ヤフーといえば、独自の検索技術で有名でしょう。この特許を取得することは、ヤフーの心臓を買うようなものです。
2がおもしろいところです。フェイスブックの例をあげましょう。フェイスブックは2012年、IBMからネットワーク関連の特許750件を一括購入しています。なぜフェイスブックは特許買いに走ったかわかりますか?それは、当時、yahoo (ヤフー)が起こしていた特許権侵害訴訟に対抗するためだといわれています。つまり、です。特許を持つことにより、訴訟を起こされたときに対抗策として使える。これがため、訴訟対策として利用できないような特許にはあまり価値がつかないわけです。今回の特許の多くが訴訟対策として利用できるかどうか。これがこれから精査されたりしていくわけです。ただ、現時点で価値は10億ドルと言われています。
マイクロソフトとアルファベットが買い手になる可能性高し?
先のウォールストリートジャーナルによると、マイクロソフトとアルファベットが関心をもっているとはなっていますが、これら2社にはコメント拒否されたようです。
中核のインターネット事業はソフトバンクライバルのベライゾンが買う可能性高し
最近ニュースで話題の米ヤフー。というのも、まもなく中核事業であるインターネット事業を売却するからであります。売却先候補として一番可能性があるのがベライゾンコミュニケーションズ。ベライゾンというと。。。そうです、ソフトバンクが有するスプリントの超ライバル会社です。
特許額10億ドルはだいたいつじつまが合う
ベライゾンが今提示しているのは30億ドル。これに今回の特許が含まれていないらしいです。今回の特許が10億ドル。市場が最初に予測していた米ヤフーの価値は40億ドル以上。ウォールストリートジャーナルによると、
アナリストらは以前、中核事業の売却額は40億~80億ドルになるとの見方を示していた。
なるほど、これでつじつまがあう。つまり、
ベライゾンの提示額 30億ドル以上
+ 特許 10億ドル以上
= 40億ドル以上 =市場の予想額
というわけで、だいたいつじつまがあいます。しかし、予想売却額は40億ドル以上となっていました。ベライゾンの提示額が低すぎるか、特許の予想額が低すぎるか、それとも両方か。どれかでしょう。
なぜソフトバンクはベライゾンがヤフーを買収するとまずいのか
ソフトバンクはベライゾンがヤフーを買うとまずいです。というのは、ヤフージャパンは米ヤフーに株を35%超握られているからです。これはつまり、ベライゾンというライバルが米ヤフーを買収すると、ソフトバンクのヤフージャパンに対する発言権が一気に減ることを意味し、今後の戦略に影響を与えます。
近頃ソフトバンクが資金を集めていますが、この影響が間違いなくあるでしょう。もしや米ヤフーを買収するのか。いや、今のところベライゾンが買収するというのが有力な話になっています。では、ソフトバンクはどのようなアクションをとるのか。いろいろ憶測が憶測を呼ぶ形になっています。ソフトバンクの動きにも今後注目です。
追記: ヤフージャパン関連で、大変おもしろい話題がでました。ヤフージャパン、あのイーブックにTOBしました。
ぜひご参照ください。
追記: なお、この後、米ヤフーの中核ネット事業の買収候補者としてなんとAT&Tとギルバート氏も有力、という記事がでました。
驚きニュース 米ヤフーのネット事業はAT&Tかバフェットさんの会社が支持する人が買収するかもしれない?!買収額の数字のトリックを解説。一体誰が買うんだろうか。
ぜひご覧ください。