三菱UFJ、日立キャピタルで減損することになるのか。

英国主力の金融は英離脱というサプライズを受け、ちょっと微妙なポジションになってきました。日本の日立キャピタル然り。なお、日立キャピタルの株価下落に関しては、下記の記事でも言及しました。

[ぶっとんだ] 世界の時価総額が1日で3兆ドル消失。英国のGDPよりも消失額がでかい計算。リーマンショック時も上回る。英EU離脱の日。たまらんねこれは

ここでは、英国民投票の結果を受け、日立キャピタルの株価が16.75%安となったといいました。日立キャピタルは個人ローンの調子がよかったと書きましたが、英国の個人ローン事業もどうなるかわからんでしょう。

 

日立キャピタルの現在の株価(今このブログを読んでいる時点の株価)

日立キャピタル(株)【8586】:株式/株価 – Yahoo!ファイナンス

 

さて、今回は日立キャピタルに関わる三菱UFJの減損リスクの話。ロイターの記事を中心にまとめ、考察していきます。

 

三菱UFJの減損リスク

上記ロイターによると、現在三菱UFJファイナンシャルグループに減損リスクが急浮上しているとのこと。理由は、

英国の欧州連合(EU)離脱決定に伴い、欧州での収益依存が大きい日立キャピタルの株価が大きく下がっているためだ。三菱UFJが、買い受け価格を引き下げる可能性も出てきた

6月28日のロイターの記事より

 

 

三菱Gと日立キャピタルは5月13日に資本業務提携

この資本業務提携のニュース、覚えている方、多いかと思います。5月13日の日経新聞の記事によると、

 

日立製作所は13日、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)と金融分野で資本・業務提携すると正式発表した。日立グループで約6割持つ日立キャピタル株の27.2%を1081億円でMUFG側に売却。日立キャピタルもMUFG傘下の三菱UFJリースに3%出資する。日立キャピタルと三菱UFJリースは経営統合に向けた協議に入る

 

というわけで、三菱UFJグループにとっては1000億円という多額の出資なわけです。

 

出資のポイント部分。買い受け価格等。

  • 1株の買い受け価格は3400円
  • 譲渡は8月を予定

 

そうです。3400円で決まってたわけですよ。

 

ちなみに、日立キャピタルの年初来高値は3270円。現時点の年初来安値は27日の1753円。28日の終値は1858円。というわけで、

  • 3400円と1858円を比べると、実に1542円の差。実に83%下。
  • 3400円と1753円を比べると、実に1647円の差。実に94%下。

 

業務提携の詳細を読みたい人もいると思うので、いちよう参考資料として、三菱UFJグループからのオフィシャルの声明

三菱 UFJ リース株式会社及び日立キャピタル株式会社の金融機能強化に向けた 資本業務提携に関するお知らせ

を貼っておきます。(既に記事のリンク切れ)

 

 

減損ポイント株価は1700円

ここが一番のミソですが、上記ロイターによると、

三菱UFJの買い受け価格3400円に対応する減損ポイントは株価1700円となり、すでにギリギリの水準にまで下がっている。現在の価格で買い受け、9月末に1700億円を割り込めば、4―9月期決算で約500億円の減損損失の計上を余儀なくされる。

 

3400円の半分、1700円が減損のポイントとなります。

 

三菱UFJは買い受け価格引き下げ交渉をするか

ありえるでしょう。上記ロイターをまとめれば、2つ例をだしています。

  1. 「場合によって、株主代表訴訟の対象になりかねない」(銀行アナリスト)

  2. 三菱UFJは、2008年に米銀モルガン・スタンレーに90億ドルを出資する際、発表後にモルガン・スタンレーの株価が急落したことから、減損を回避するために、一部普通株式での出資計画を優先株に変更した経緯がある。

 

株主は出資決定の1カ月後にこんなに状態になっていますからね。。。で、モルガン・スタンレーの時も確かにこのようなニュースがありましたね。この時は一部条件を変更していますね。

 

なんにせよ、上記の三菱UFJのオフィシャルの声明文によると、

本出資が MUFG と MUL の当期の業績に与える影響は軽微です。今後、各社の業績に重 要な影響を及ぼすことが明らかになった場合には、速やかにお知らせ致します

 

としています。決して軽微とはいえないと思いますし、重要な影響を及ぼす可能性があります。その際は、速やかにお知らせがあるので、どのような結果にせよ、近いうちに声明が出される可能性はあるでしょう。現時点でノーコメントのようですが。

 

一つ気になるのが日立キャピタル側からの出資

これ、やっぱ一つ気になるのは、単に三菱UFJ側からの出資だけではないんですよ。上記日経によれば、

 

日立キャピタルもMUFG傘下の三菱UFJリースに3%出資する。

 

そうですね、オフィシャル声明文から引用すると、ここ。

今後日立キャピタルは、MUL 株式 26,678,000 株を市場にて順次取得していく予定です。

 

というわけで、日立側も三菱側と比べて金額は低いにせよ、コミットしているわけですよ。だから、今回の県は、三菱だけ価格変更するべ、とかいう話にはならないでしょう。この辺の交渉がどうなるか、注目です。

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