結局アローラ氏はクロなのかシロなのか、そもそも論点は何なのか。

 

アローラ氏とソフトバンクがSECから調査を受けているというニュースが賑わっています。私も大変高い関心を持っています。一度整理してみましょう。

 

 

アローラ氏、退任。しかし、退任の時からなんだかいろいろ疑問は残っていた。退任までの整理

私の方ではアローラ副社長が退任した日に、アローラ氏関連記事を書きました。

 

最初の記事が、退任した時の記事。

[仰天ニュース] ソフトバンク、アローラ副社長がなんと退任。このタイミングで?!内部調査要求の調査の結果の影響は?孫社長の後継者選びは振り出しへともどる

 

その後、ヤフー会長職を退任したという同日の記事を書きました。

 

 

クローズアップされていた部分でない本音の理由とは

で、です。当時、一般的に多くクローズアップされていたのは、基本的には、ソフトバンクの孫会長が言った言葉。社長に復帰したくなった、や、脇役でいてもらうのは申し訳ない、やら、です。これは確かに正しい面もあるとは思いますが、ただ、私の方では、アローラ氏退任の可能性として、当時4つ書かせていただきました。これはあくまで私の推測ですが。

 

  • 孫社長が思っているほど、スピード感がなかった

  • 次迫る大きな決断に、アローラ氏が乗り気でなかった

  • 何かこの調査の最中に、他の事実が発覚したりした可能性

  • 孫社長との仲

[仰天ニュース] ソフトバンク、アローラ副社長がなんと退任。このタイミングで?!内部調査要求の調査の結果の影響は?孫社長の後継者選びは振り出しへともどるより

 

私の中では、この4つの中に本音が隠れているんじゃないかなと思ってみていました。正直どれが本音かはわかりませんし、わかるはずもないですが。

 

 

内部調査について

で、3つ目、何かこの調査の最中に、他の事実が発覚したりした可能性、これに注目してほしいんですが、ちなみに、調査中というのは、ソフトバンクが行った内部調査のことです。なんで内部調査していたかというと、ソフトバンクは法律事務所などから書簡を受け取っていたからです。

 

私の方でこれに関しては、4月21日のBloombergの記事をだして、

同書簡はアローラ氏について、利益相反の有無や過去に不適切な行為に関与した可能性、経営判断のまずさなどを挙げている。

 

という点を挙げさせていただきました。

 

で、ソフトバンクの結論は、これらは評価するに値しない、といっていました。

 

 

本当に全く問題は見つからなかったのだろうか?

で、これに関して、私の方では、

ただ、これに関しては問題ない、と結論付けています。本当にそうだったか?オフィシャル上は問題なしですがね

[仰天ニュース] ソフトバンク、アローラ副社長がなんと退任。このタイミングで?!内部調査要求の調査の結果の影響は?孫社長の後継者選びは振り出しへともどるより

 

と書きました。要は、本当にそうだったか?という方向性です。

 

いちよう言っておくと、私はアンチソフトバンクじゃないですよ。私は孫社長は、わっと驚くことをしてくれるようなすごい人だと思っています。スプリントの時とか、Tモバイルの時とか、こんなにワクワクさせてくれる人は正直あまりいないと感心していました。ただ、アローラ氏の退任理由に関しては、本音の部分含め、やっぱ謎が多いと思っています。あくまで推測の域をでていませんが。

 

さて、SECの件についていろいろ考えていきましょう。以下、7月1日の日経新聞の記事をまとめ、考察していきます。これは大変興味深い記事です。

 

 

まず、現時点では予備的調査だから、悪者扱いはしてはいけない

はっきしさせておくべきは、これは予備的調査であります。上記日経新聞によると、

調査は予備的なもので、現段階でアローラ氏およびソフトバンクに不適切な行為の疑いはかけられていないという。予備調査は早い段階で「不問」に終わる可能性もある。逆に本格的な調査が始まればソフトバンクも調査への協力や積極的な情報開示を求められる

 

というわけで、不適切な行為があったのかどうかはまだわかっていません。つまり、アローラ氏がクロなのかシロなのか、わからないです。全くクリーンでした、みたいに終わる可能性もあるわけです。だから、悪者扱いはしてはいけません。

 

しかし、実はー。。。、という結論になる可能性もあります。だから、投資家としては、注意深く見ていく必要があるでしょう。

 

 

シルバーレイク・パートナーズとの関わり

さて、上記日経新聞、先ほど話題に出た、内部調査へと話題を移していきます。ここで上記日経新聞を整理してみると、

  • 1月に米法律事務所ボーイズ・シラー・アンド・フレクスナーが適性を疑問視する書簡
  • 特に問題となりそうなのが、同氏が2014年9月にソフトバンクに加わって以降も幹部を兼務していた米投資会社シルバーレイク・パートナーズとの関わり

 

でました。シルバーレイク・パートナーズの話。投資会社です。まぁアローラ氏が幹部をしていたのは知っていました。ただ、アローラ氏は昔からシルバーレイクパートナーズと関わっていましたよね。具体的に何がそこまで問題視されているのか。

 

 

2つの問題点

上記日経新聞では、ボーイズ社の書簡での2つの問題点をフォーカスしています。

  1. アリババ株に関わるインサイダー疑惑
  2. ベンチャー投資と利益相反行為疑惑

 

 

1.アリババ株に関わるインサイダー疑惑

インサイダー疑惑?どういうことでしょうか。上記日経新聞によると、ボーイズ社の発言を、以下のようにまとめています。

  • シルバーレイクはソフトバンクが筆頭株主である中国アリババ集団に出資

  • アリババの業績悪化を理由に保有株の多くを15年半ばまでに売却

  • 「シルバーレイクはアリババの株価が2割落ちる直前に売却した」と指摘

  • 一方でソフトバンクは保有を継続

  • アリババとの契約で手続きに時間がかかり、6月初めになって約5%相当を100億ドルで売却

  • シルバーレイクのアリババ株売却のタイミングを考慮すると「アローラ氏がインサイダー取引に関わっていた可能性がある」と指摘

 

これはけっこうマジな具体例ですね。確かにアリババ株は一時めっちゃ下がりましたけど、これ、マジならやばいです。マジかどうか、それはSECがはっきりさせてくれるわけですが。

 

 

ベンチャー投資と利益相反行為疑惑

ベンチャー企業と利益相反とは言われていますが、具体的にどういうことでしょうか。上記日経新聞によれば、

シルバーレイクは多くのネットベンチャーに投資しており、ソフトバンクの投資部門を統括していたアローラ氏が「ソフトバンクの役員として追求すべき利益の獲得機会を利用している」とし、利益相反にあたると指摘した。

 

これはベンチャー投資が振るわないという書簡とも関連してくるんでしょうか。

 

 

結局なぜSECが動いたか

上記日経新聞によれば、

SECの調査はボーイズ社の書簡に基づく可能性が高い。

 

であれば、上記のシナリオは徹底的に調査されますね。再度言いますが、現段階では予備的調査です。今後に注目です。

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