ソフトバンク、遂に動く。
ソフトバンクの動きがいかにも孫社長という動き。スプリントの時を彷彿させる。さて、ARMホールディングスを買ったわけですが、結局この会社なんやねんという話をします。以下、ARMホールディングス公式のページでの考えをまとめ、考察します。
結局、ARMホールディングスとは
バイアスがかからないよう、まずは上記ARMホールディングス公式のページから、ARMホールディングスとはどのような会社なのかを抜粋します。アーム・ホールディングスとは、
半導体の知的所有権(IP)の世界規模のリーディング サプライヤであり、デジタル電子製品の開発で中心的な役割を果たしています。イギリスのケンブリッジに本社があり、約2,200人以上の社員を擁するARMは、世界各地にオフィスを持ち、デザイン センターも台湾、フランス、インド、スウェーデン、およびアメリカにあります
上記にあるように、この会社は、一言で言うと、知的所有権(IP)のサプライヤです。
もっと単純な話し方をすれば、ARMホールディングスとは、開発、設計している会社。つまり、開発、設計することで稼いでいる会社。よって、半導体という言葉ばかりに目が行くと、えらい話が違う方向の会社であることが分かります。
そして、どのように稼いでいるのか、これを理解する必要があります。下記へと進みます。
どのように稼いでいるのか。ARMホールディングスのビジネスモデルを簡潔に。
半導体を売って稼いでいるわけではないとはわかりました。IPのサプライヤってなんやねんという話になってきます。上記ARMホールディングスの公式のページから稼ぎ方をまとめると、下記の2つに集約できるかと思います。
- ライセンス料をゲット
- ロイヤリティをゲット
1.ライセンス料について
ライセンスに関していえば、上記ARMホールディングスのページから、私なりに簡潔にまとめてしまうと、
IPの設計をARMホールディングスがする
↓
世界の半導体およびシステム企業などへとIP設計を渡す
↓
各企業は、ARM社のIP設計を利用して、さらなる開発やらやりたいことをする
↓
結果、IP設計したARMホールディングスがライセンス料を得る
自社のIPのライセンス
世界の半導体およびシステムのリーディング企業を含む、パートナーのネットワークに供与
これらのパートナーは、ARMのIP設計を利用してシステム オン チップ設計を作成および製造
2.ロイヤリティに関して
これも1番のライセンスに関連してきますが、
各企業は、ARM社のIP設計を利用
↓
各企業、システムオンチップ設計を作成および製造する
↓
各企業は、製造した各チップまたはウエハーのロイヤリティをARMに支払う
ARMのIP設計を利用
システム オン チップ設計を作成および製造
製造した各チップまたはウエハーのロイヤリティを支払います
まとめてしまうと、IPの設計をしたことで、ARMホールディングスは、ライセンス料とロイヤリティをゲットということです。
ARMホールディングスのおもしろさとは
まずは、上記ARMホールディングスの公式のページから、ARMホールディングスの特色で最もおもしろいと思われる3か所を抜粋します。
ARMベースのチップの現在までの出荷数は300億以上
約300の企業に850以上のプロセッサライセンスを販売
すべてのARMベースのチップについて、ロイヤリティを徴収
すべてのARMベースのチップでロイヤリティをゲットってのがいいですね。
顧客もリーディングカンパニーがそろう
ロイターによると、ARMの強味はスマホで、最新の技術はアップル、サムスン電子、華為技術(ファーウェイ)が採用とのこと。
- ARMはスマートフォン(スマホ)に強く
- 米アップル(AAPL.O)や韓国サムスン電子(005930.KS)、中国の華為技術(ファーウェイ)HWT.ULが採用
要はビジネスモデルの例からもわかりますが、ARMのIP設計を売るだけでなく、こういったリーディングカンパニーが売りまくってくれればくれるほど、ARMが儲かる仕組みです。
売上は急伸
IFRSベースですがね、
2014: 795.2 £m
2015: 968.3£m
出典 ARMホールディングスの決算書
というように、21.76%売り上げが上がりましたね。好調なんでしょう。
ちなみに、ビジネスモデルを読めばわかりますが、IP設計会社ですから、利益率見るなら、営業利益ベースで物事を見ないと意味がないですよ。コストは要は研究開発費とかですから。
というわけで、こういう会社をソフトバンクが買収したということを、ご理解ください。