なんとも将来が楽しみな試み。

 

IPSでサルの心臓回復: サルの人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った心臓の細胞を、心筋梗塞のサルに移植し、心臓の働きを回復させることに成功

10月10日にロイターが報じたところ、信州大などのチームは、サルの人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った心臓の細胞を、心筋梗塞のサルに移植し、心臓の働きを回復させることに成功したと発表したとのこと。10日付の英科学誌ネイチャーに発表したとのこと。

 

  • サルの人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った心臓の細胞を、心筋梗塞のサルに移植し、心臓の働きを回復させることに成功した

  • 信州大などのチームが10日付の英科学誌ネイチャーに発表

 

なんと人間に近いサルで心臓の働きを回復させることに成功という話です。これは今後に期待できそうな話ですね。

 

ところで、研究者の方などで、これに関するネイチャーのオリジナルの文献を読みたい方がおられるかもしれないので、英語ですが、下記リンクを貼っておきましょう。

 

Allogeneic transplantation of iPS cell-derived cardiomyocytes regenerates primate hearts

 

 

iPS移植で心機能回復は、信州大の柴祐司准教授らのグループが発表

10月11日に時事通信が報じたところ、発表は信州大の柴祐司准教授らのグループがしたとのこと。

 

  • 信州大の柴祐司准教授らのグループが発表

 

グループとなっていますが、私が確認しただけで19名の名前が記載されています。ちなみに柴祐司准教授は以前、ヒトES細胞でも名前を以前に拝見しました。それが下記。

 

 

ES細胞でモルモットの心臓機能回復

上記時事通信によると、研究グループは2012年、人の胚性幹細胞(ES細胞)から作った心筋細胞を心筋梗塞のモルモットに移植し、心臓機能が回復したと発表。人からモルモットへの異種移植では拒絶反応を評価できなかったとのこと。

 

  • 研究グループは2012年、人の胚性幹細胞(ES細胞)から作った心筋細胞を心筋梗塞のモルモットに移植

  • 心臓機能が回復したと発表

  • 人からモルモットへの異種移植では拒絶反応を評価できなかった

 

以前の日経新聞によると、これもまたネイチャーに掲載されたようです。

 

 

IPSでサルの心臓回復での研究グループの実験方法

上記時事通信によると、研究グループは免疫拒絶反応が起きにくい特殊なカニクイザルと、心筋梗塞のカニクイザルを5頭ずつ用意。特殊なサルの皮膚細胞から作製したiPS細胞を心筋細胞に変化させ、心筋梗塞のサルの心臓に注射器で計10カ所注入して移植したとのこと。

 

  • 研究グループは免疫拒絶反応が起きにくい特殊なカニクイザルと、心筋梗塞のカニクイザルを5頭ずつ用意

  • 特殊なサルの皮膚細胞から作製したiPS細胞を心筋細胞に変化させ、心筋梗塞のサルの心臓に注射器で計10カ所注入して移植した

 

 

サルに移植された心筋細胞は組織に定着し、心臓機能が5~10%ほど回復

上記時事通信によると、移植された心筋細胞は組織に定着し、心臓機能が5~10%ほど回復したとのこと。一方、5頭全てで4週間以内に不整脈が確認されたとのこと。

 

  • 移植された心筋細胞は組織に定着し、心臓機能が5~10%ほど回復した

  • 一方、5頭全てで4週間以内に不整脈が確認された

 

下記にあるように、この不整脈については、今後研究が進められるようです。

 

 

IPS移植を受けたサルは一時的に不整脈が増えた。副作用の研究を今後進めていく。人への実用化も検討。

上記時事通信によると、移植を受けたサルは一時的に不整脈が増えており、グループは副作用の研究を進めるとのこと。柴准教授は「不整脈や腫瘍形成などの問題を解決した上で、数年以内に人への実用化を検討したい」と話しているとのこと。

 

  • 移植を受けたサルは一時的に不整脈が増えており、グループは副作用の研究を進める

  • 柴准教授は「不整脈や腫瘍形成などの問題を解決した上で、数年以内に人への実用化を検討したい」と話している

 

サルという人間に近い動物で効果が確認されました。今後に大変期待ができますね。研究が進むことを楽しみにしております。

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