なんと買収交渉破談ときたか。

 

話の前提: 武田がバリアントの胃腸薬事業を買収交渉

以前、武田がバリアントの胃腸薬事業を買収交渉しているという記事を、なぜ武田が胃腸薬事業を狙っているか、買収交渉相手などについても含めて、それが報道された時、書きました。関心ある方は下記どうぞ。

 

[武田が約1兆400億円の買収交渉] 武田がバリアントの胃腸薬事業を買収交渉。消化器系疾患分野で勝負をかけにきたのか。武田が巨額買収へ動く

 

そして、下記で再度紹介する和光純薬の売却話含め、今後の武田のM&Aにはいろいろな期待感を持っていた方も多いと思います。しかし今回は、この買収交渉が破談になったという話です。

 

 

武田とバリアント、胃腸薬部門巡る交渉決裂。なぜ買収交渉は破談したのか。価格面などで折り合うことができなかった。

ウォールストリート・ジャーナルによると、カナダの製薬会社バリアント・ファーマシューティカルズ・インターナショナルは胃腸薬部門サリックス・ファーマシューティカルズを約100億ドル(1兆1400億円)で売却する方向で武田薬品工業と交渉していたとのこと。

 

しかし、双方は価格面などで折り合うことができず、交渉は決裂したとのこと。複数の関係者が明らかにしたとのこと。

 

  • カナダの製薬会社バリアント・ファーマシューティカルズ・インターナショナルは胃腸薬部門サリックス・ファーマシューティカルズを約100億ドル(1兆1400億円)で売却する方向で武田薬品工業と交渉していた

  • 双方は価格面などで折り合うことができず、交渉は決裂した

  • 複数の関係者が明らかにした

 

交渉破談。これは武田が久々に大型買収をいい値段でしてくれると期待していただけに残念な話。ちなみにこの買収話がうまくいかなかったのは、「両社にとって」、違う意味合いで残念な話です。

 

 

バリアントの株価が武田との交渉決裂で大幅に下がる。バリアントは金が必要だが、売却交渉が破談に終わり、今後金をどう調達するのか。

本日のバリアントの株価はこの影響で相当下がってます。Bloombergによるとニューヨークで11時17分に15.69ドルとしています。これはつまり、8.6%の下げです。一時もっと下がっていました。ただ、その後はゆるやかに回復基調となってます(これを書いている時点で)。

 

前回の記事でも書いたように、バリアントは金が必要。だから、買った時よりも低い値段での売却交渉をしていたわけです。しかし、それが破談に終わった。つまり、金が入ってこない。今後、金をどう調達するのか。そんな状況といったところでしょうか。

 

 

武田は和光純薬での売却交渉をうまくやったのに、バリアントの胃腸薬事業の買収交渉では決裂してしまった。

武田はつい先日、和光純薬という試薬のトップランナーをけっこういい値段で富士フィルムに売っています。

 

[和光純薬買収争奪戦の結果がおもしろすぎる] 富士フイルムが武田子会社である和光純薬工業買収へ。買収額は驚きの2000億円規模。富士は和光をどうしても買いたかった。武田は和光を上手に売った

 

和光純薬売却交渉と同時に、バリアントの胃腸薬事業の買収交渉をしていたわけです。これがうまくいけば、2つの交渉を同時期に成立させたということで、これはすごいと思っていましたが、今回の大型買収交渉は決裂しました。

 

前回も書いたように、今回の買収は、武田は戦略的に展開していたはず。そして交渉相手は金に困ってる会社。なんとかうまくいい値段で買うことはできなかったのか。

 

このあたりは、当事者でないと事情が分からないのでしょうが、なんとも後味の悪い結果となりました。

 

さて、武田のバリアントの胃腸薬事業の買収交渉は再び再開されるのでしょうか。それが下記。

 

 

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武田とバリアントのサリックス部門の買収交渉再開の可能性は。バリアントはサリックス売却より立て直すことに関心か。バリアントはサリックスの主力商品である下痢止め薬「キシファクサン」の販売力の強化に動いている。

上記ウォールストリートジャーナルによると、関係者によると、まだ交渉再開の余地はあるが、バリアントはサリックスを売却するより立て直すことに照準を合わせつつあるとのこと。

 

バリアントは現在、サリックスの主力商品である下痢止め薬「キシファクサン」の販売力の強化に動いているとのこと。バリアントは11月29日付のプレスリリースで、この事業拡充に着手したと発表したとのこと。

 

  • 関係者によると、まだ交渉再開の余地はあるが、バリアントはサリックスを売却するより立て直すことに照準を合わせつつある

  • バリアントは現在、サリックスの主力商品である下痢止め薬「キシファクサン」の販売力の強化に動いている

  • バリアントは11月29日付のプレスリリースで、この事業拡充に着手したと発表した

 

前日に事業拡充に動いたということで、これは今回の買収交渉の決裂を意味していたとも考えられます。

 

さて、武田は資金を次はどこへ入れるつもりなのか。武田は今後どうするのか、注目しましょう。

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