今年はこの2社は関係を深めていきそうだ。
トヨタ自動車とスズキが開発や調達など広範囲な分野で包括提携することで大筋合意。トヨタとスズキは今後は株の持ち合いなど資本提携も検討する。
日経新聞によると、トヨタ自動車とスズキが開発や調達など広範囲な分野で包括提携することで大筋合意したことが3日、明らかになったとのこと。今後は株の持ち合いなど資本提携も検討するとのこと。
6日にも両社が発表する見通しとのこと。具体的な協力テーマは今後、両社で詰めるとのこと。
トヨタ自動車とスズキが開発や調達など広範囲な分野で包括提携することで大筋合意したことが3日、明らかになった
今後は株の持ち合いなど資本提携も検討する
いよいよ来ました、トヨタとスズキの提携話の本格化。
豆知識: トヨタとスズキの関係作りは昨年10月より。トヨタもスズキも創業家がトップだが、鈴木修会長が豊田章一郎名誉会長に相談に行った時点で勝負があった。
トヨタとスズキは昨年10月、提携すべく、関係作りに動き始めました。
会長の名字からも明らかなように、両社とも創業家がトップ。この際、スズキの鈴木修会長というカリスマが、トヨタの豊田章一郎名誉会長に相談に行ったわけですが、このインパクトある行動で勝負が決まったといっていいでしょう。なお、豊田章一郎名誉会長は今も昔も力のあるすごい方です。
トヨタとスズキの包括提携では、どのように開発や調達で提携しそうか。トヨタにとっては新興国事業でスズキの力を借りることができそう。
上記日経新聞によると、開発ではIT(情報技術)の活用や自動運転技術、世界的な環境規制の強化でニーズが高まる電動化などが対象になるとみられるとのこと。調達では海外を含めて競争力が高い取引先を相互に紹介するといった可能性がありそうだとのこと。
新興国での協力も課題となるとのこと。スズキは自動車市場が急拡大しているインドで高いシェアを握る一方、トヨタは国内や米国のような存在感を発揮できていないとのこと。
トヨタは16年にダイハツを完全子会社化し、同社を新興国の小型車事業を担う中核と位置付けるとのこと。スズキとは部品の調達や一部車種の相互供給などで新興国事業の強化につなげる見通しとのこと。
開発ではIT(情報技術)の活用や自動運転技術、世界的な環境規制の強化でニーズが高まる電動化などが対象になるとみられる
調達では海外を含めて競争力が高い取引先を相互に紹介するといった可能性がありそうだ
新興国での協力も課題となる
スズキは自動車市場が急拡大しているインドで高いシェアを握る一方、トヨタは国内や米国のような存在感を発揮できていない
トヨタは16年にダイハツを完全子会社化し、同社を新興国の小型車事業を担う中核と位置付ける
スズキとは部品の調達や一部車種の相互供給などで新興国事業の強化につなげる見通し
豆知識: スズキといえばやはりインド。マルチ・スズキはインド国内で4割超のシェアを持つ。ハンガリーではマジャールスズキとして大変なプレゼンスを誇り、2016年はハンガリー生産は14%増の21万1734台だった。
スズキのインドでの知名度は抜群なのは誰もが知っているところ。2016年、スズキは国内生産は減少となりましたが、インドは好調。
つい先日の1月31日の日経新聞によると、2016年、スズキは海外生産のうちインドは7%増の151万5035台と過去最高を記録したとのこと。製造販売子会社のマルチ・スズキはインド国内で4割超のシェアを持つとのこと。
スズキは海外生産のうちインドは7%増の151万5035台と過去最高を記録した
製造販売子会社のマルチ・スズキはインド国内で4割超のシェアを持つ
で、スズキで忘れてはいけないのがハンガリー。マジャールスズキとして有名。ハンガリーでは、2016年の生産はインドの2倍の14%増となってます。
上記日経新聞によると、SUVが好調だったハンガリーの生産も14%増の21万1734台だったとのこと。年間20万台を超えるのは08年以来、8年ぶりとのこと。
SUVが好調だったハンガリーの生産も14%増の21万1734台だった
年間20万台を超えるのは08年以来、8年ぶり
新興国通の私も、新興国でのスズキの知名度の高さに驚かされることがけっこうあります。トヨタの規模はスズキを圧倒していますが、トヨタはスズキと連携することで、特に新興国での調達などで大いに学べることがあるかと思います。
なぜトヨタはスズキと包括提携するのか。なぜスズキはトヨタと包括提携するのか。
上記日経新聞によると、トヨタは自動車業界ではIT企業など異業種を巻き込んだ競争が激しくなっており、影響力を維持するには同業との協力拡大が必要とみているとのこと。
スズキは15年に独フォルクスワーゲン(VW)との資本・業務提携を解消し、新たな後ろ盾が必要と判断とのこと。
トヨタは自動車業界ではIT企業など異業種を巻き込んだ競争が激しくなっており、影響力を維持するには同業との協力拡大が必要とみている
スズキは15年に独フォルクスワーゲン(VW)との資本・業務提携を解消し、新たな後ろ盾が必要と判断
トヨタの連携話はよく聞くところであり、書くときりがないのですが、トヨタという会社は実にうまく他社と連携します。年末にも自動運転で世界連合という話もありましたが、トヨタもきっちり連合に参加しています。
自動運転で世界連合。トヨタ・VWなど27社が参加し、自動運転普及へ。しかし、人気のテスラ、天下のグーグルとフォード連合は不参加。対立構造もあり、なかなかのミモノ
上記日経新聞によると、トヨタは1月には米フォード・モーターと共同で、スマートフォン(スマホ)と自動車を連携させて使う技術の普及に向けたコンソーシアムを設立し、国内の完成車メーカーでは富士重、マツダ、スズキの3社が加わっているとのこと。
トヨタと提携先は自動車の基本ソフト(OS)などでも協力が可能か模索しており、実用化が加速する可能性があるとのこと。
1月には米フォード・モーターと共同で、スマートフォン(スマホ)と自動車を連携させて使う技術の普及に向けたコンソーシアムを設立し、国内の完成車メーカーでは富士重、マツダ、スズキの3社が加わっている
トヨタと提携先は自動車の基本ソフト(OS)などでも協力が可能か模索しており、実用化が加速する可能性がある
トヨタとフォードが協力するという話ですが、ここに富士重、マツダ、スズキという名前が並んでいます。全部トヨタとがっつり関係のある会社ですね。
こういったトヨタを中心とした体制で協力していけばおもしろそうですね。
トヨタとスズキは資本提携についても今後検討。トヨタとスズキは独禁法に抵触しない技術開発などの緩やかな連携から始める。調達、開発での提携の結果の資本提携であっていいと思う。
上記日経新聞によると、スズキとトヨタ子会社のダイハツ工業の国内の軽自動車のシェアを合算すると60%を上回るなど、独占禁止法に抵触する恐れもあったとのこと。
提携後も両社はそれぞれのブランドで販売を続けるとのこと。一方、独禁法に抵触しない技術開発などの緩やかな連携から始め、実利を得る方針とのこと。提携関係を強固にするため、資本提携についても今後検討を進める見通しとのこと。
スズキとトヨタ子会社のダイハツ工業の国内の軽自動車のシェアを合算すると60%を上回るなど、独占禁止法に抵触する恐れもあった
提携後も両社はそれぞれのブランドで販売を続ける
一方、独禁法に抵触しない技術開発などの緩やかな連携から始め、実利を得る方針
提携関係を強固にするため、資本提携についても今後検討を進める見通し
株持ち合いはもちろん提携関係の強化につながります。ただ、開発や調達の関係強固の後の結果として、株の持ち合いがあるのなら、これは単なる株の持ち合いには決してなりません。これこそ資本提携という言葉が合致するわけです。
まずは開発、調達で関係を強固にし、将来的にはぐっと近づくことができればおもしろいですね。