[日経最弱平均から、日経最強平均へ] いったい何が起こっているのだ?政治が及ぼす株価への影響とは?日本株最弱が、日本株最強に突如変化。日本株が急に強くなった理由とは?
この半年、とにかく弱かった日経平均。
ダウが高値を更新する中、ひたすらダダ下がりする日経平均。
そんな、最弱とまでいわれた日経平均が、8月末より上昇、9月になり暴騰。
日経最弱平均が、日経最強平均に突如生まれ変わりました。
いったい何が起こっているのでしょうか?
今回は、備忘録もかねて、これまでの日経平均の経緯と、暴騰劇に関する私の解釈を書きます。
あくまで私の解釈です。当然間違っている可能性もありますが、意見の一つとして参考にしていただければと思います。
まずは、いわゆる「日経最弱平均」の話をまとめます。
ダウ高値更新の中、2021年、半年間だだ下がりだった日経平均。まさに最弱。
21年の2月までは恐ろしく強かったのです、日経平均。
しかし、2月高値の後からが問題です。
上げ下げを繰り返しながら、徐々に、徐々に買い方を締め付けるように、だらだら、だらだらと下がっていったわけです。
これが、ダウが一緒に下がってる状態ならまだしも、ダウは高値を更新したのにも関わらず、日経平均は下がるという、逆相関の関係ができてしまったのです。
これには、買い方はいら立ちしかありません。
いつしか、人々は、日本株を「最弱」と皮肉るようになりました。
私も同様、上がらぬ日本株に、なんというありさまか、と失望しておりました。
まぁ実際には、日経に比べてTOPIXはそこまで無茶苦茶ではなかったので、日本株最弱は正確には正しくないです。しかし、ダウと比べての日経の弱さを見て、感覚的にそう言いたくなる気持ちは理解できました。
2021年前半、ダウと日経が連動しずらくなってきた。ダウが高値更新、日経は上がらない。ダウが下がるときだけは一緒に下がる。逆相関の関係。
以下、先物ベースで、グラフを2つ作成しました。
まず、21年初めぐらいに同じ株価だったとして、どれくらい日経先物(青)とダウ先物(オレンジ)が上がったのかというパーセンテートを作成しました。
まず注目していただきたいのは、AとBの期間。オレンジ色のダウ先物が上がるのに、青色の日経先物が下がるという展開。
買い方として、これほどイライラする展開はないです。ダウ上がるのに、日経下がる。日経最弱と皮肉られるのも無理はないです。
しかも、下がるときだけは、一緒に、もしくはダウ以上に下がるんですね。最悪のパターンです。
もう一つ、相関の図も作りました。ダウ先物と日経先物の相関図です。
1に近づくほど、相関関係が高いことを示します。
ご覧のように、きれいな相関になっていない期間があるのに注目です。
通常、ダウと日経はある程度連動するのです。
その通常がないから、買い方はイライラしていたのです。
なぜ日経平均は最弱だったのか?自民党大敗で、政権交代の可能性まで、少しずつ織り込んできたと考える。政権交代の不確実性が嫌がられていた。
さて、本題の、なぜ日経平均は最弱だったのか、に移ります。
前半は、ワクチン供給の遅れ、緊急事態宣言、変異種の登場、オリンピックやるのかやらないのかなど、いろいろ要因が挙げられます。これは、皆さん同じ考えです。(図表A参照)。
で、問題なのは、Bのあたりです。特に終盤(図表B参照)。
買い方としては、上がらぬ日本株にいら立ちが増しまくっていた時期です。
ここで、日本株を動かす、海外投資家がどう考えていたのかを考えるのが重要です。
私の考えでは、菅首相を横目に、前の安倍首相と異なり、リーダーシップが明らかに欠如し、支持率も低く、選挙で自民党が「もしかしたら」大敗するシナリオ。これを、少しずつ、少しずつ織り込んでいった。このように考えています。
昔の民主党みたいなものが再び、というより、いったいこれからどうなってしまうか分かんないな、という不確実性が嫌がられていたと考えます。海外投資家は、政治の安定を望みます。
これが、完全には織り込まれていなかったわけですが、徐々に、もしかしたらやばいかも、という不穏な動きが出始めていた、と私は考えます(実際、政権交代となったら、この程度の下げでは当然済まされなかったでしょう。)
日経平均暴騰、菅首相辞任のニュースからスタート。最強日経平均が突如やってくる。メジャーSQの要因もあるが、これまぜの下げの反動が突如やってきた。
そんな日経最弱平均に、転機が訪れます。一番右のCの個所を見てみてください。
ダウ先物が微妙なのに、日経平均先物は暴騰。
しかも、上げピッチがあまりにも早すぎる。この勢いは、まさに「日経最強平均」。
大きなきっかけとなったのは、菅首相辞任のニュースです。お昼でしたが、先物が急騰しました。
その後も上昇を一気に続けました。
このあたりの値動きを、あるアナリストはこう解説しました。
「確かに菅首相は交代するが、次が誰かも分からず、経済政策なども分からないわけなので、この強さは不可解。」
私はこのアナリストに注目していますが、私は彼の解釈とは異なる解釈をしています。
なぜなら、上記で書いたように、暴騰の初期段階で起こったことは、まずは、これまでのマインドの是正です。それは、「政権交代が万が一起こる可能性」、この是正です。菅首相が辞任したことで、この可能性が低くなったのです。今回の急騰劇は、このマインドの是正によるもの、と考えます。
菅首相辞任→自民大敗がなくなる可能性が強まる
このように、マインドチェンジしたこと、これが株価を押し上げた要因と考えます。
さらに、メジャーSQが近づいていたわけです。タイミング的には、まさにドンピシャなタイミングで、辞任発表。ショートも買戻しせざるをえない状況と重なったわけです。
日経30000円回復。次の首相が誰になるか、経済政策などの話は、これから織り込みに行く。SQ後の動きにも注目。
そして、日経3万円回復しました。
私の中では、日経3万回復は、あくまで、これまでズルズルと下げ続けたものが、元に戻っただけ。
SQも爆上げ要因の一つであることから、SQ後の動きもしっかり強いかどうかの確認が必要。さらに重要なのは、次の首相。
次の総裁(首相)が誰になるか、経済政策の話などは、まさにこれからじっくり消化していくものだと思います。
よって、総裁(首相)が誰であろうか憶測できるようになり、そして、実際に具体的に決まる前後、それからは、その経済政策の内容と、いかにそれが進められるか。このあたりの時期が、非常に重要になってくるでしょう。
日経3万は大きな節目。この意識される数字、政局も含め、日経平均の行方に今後も要注目です。