東芝グループ各社は東芝に預けている資金を引き上げている

 

話の前提: 揺れに揺れる東芝問題、KKR登場もWDが文句をいっている展開。

東芝が再び揺れに揺れています。

 

東芝再建で期待値が高まったのは、KKR・革新機構登場あたりの時でした。

 

[まさかまさかのKKR登場、革新機構は裏で動いていた] 東芝半導体売却で米KKR・革新機構が共同入札へ。KKRは二次入札に強い。WDも合流させ、KKR・革新機構・WDが連合を組めれば一番いいだろう。

 

KKR・革新機構登場のあたりまでは良かったわけですが、上記記事で最後に懸念材料を書きました懸念材料はWDについて

 

今、WDについていろいろ騒がれていますが、まさに上記記事でも触れたのに近い懸念念材料が表面化してきているともいえます。

 

WDについてはっきりといえること

 

現状、WDがまったく納得していないという点です。

 

WDが最初に東芝に大きく文句を言った時にも書きましたが、WDとの交渉がまず何より重要なんてのは、最初の最初からわかっていたことです。

 

[東芝メモリの将来はウエスタンデジタルが握る] ウエスタンデジタル(WD)は東芝半導体「他社に売却認めず」。どんな形であろうとウエスタンデジタルを納得させないと話にならない。

 

WDは勝手に東芝メモリを売却するなという論を展開しているわけですが、要するに、WD主体で話を進めないとダメだ、といっているわけです。

 

東芝サイドがWDとしっかり話をまとめていなかったのは明らかです。

 

東芝とWDの関係はぎくしゃくしています。微妙な状況になってきました。

 

そんな状況下での今回の話。東芝グループ各社が東芝に預けている資金を引き上げでいるという話題です。

 

 

東芝のグループ主要各社で東芝本体に預けている資金の残高が急減。東芝プラントシステム、ニューフレアテクノロジーは預け金ゼロに。東芝テック、西芝電機も預け金を大幅に減らす。

17日の日経新聞によると、経営再建中である東芝のグループ主要各社で東芝本体に預けている資金の残高が急減しているとのこと。

 

2017年3月期末で発電プラント大手の東芝プラントシステムや、半導体製造装置のニューフレアテクノロジーがゼロとなったとのこと。

 

東芝テックは自社で使う用途で16年3月期末に4億円強まで減らし、前期末ではゼロにしたとのこと。社会インフラの西芝電機も前期末で5000万円弱と前の期比96%減らしたとのこと。

 

現時点で東芝の資金繰りに問題は出ていないが、経営リスクへの備えや株主配慮の観点から、資金管理を見直す動きが広がっているもようとのこと。

 

  • 経営再建中である東芝のグループ主要各社で東芝本体に預けている資金の残高が急減している

  • 2017年3月期末で発電プラント大手の東芝プラントシステムや、半導体製造装置のニューフレアテクノロジーがゼロとなった

  • 東芝テックは自社で使う用途で16年3月期末に4億円強まで減らし、前期末ではゼロにした

  • 社会インフラの西芝電機も前期末で5000万円弱と前の期比96%減らした

  • 現時点で東芝の資金繰りに問題は出ていないが、経営リスクへの備えや株主配慮の観点から、資金管理を見直す動きが広がっているもよう

 

まず、預け金とはなんぞやという点について、はっきりさせておきましょう。

 

 

東芝のグループ預け金とは。

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上記日経新聞によると、東芝の「グループ預け金」は資金を親会社に集約して一元管理し、グループ内で有効活用する狙いがあるとのこと。

 

グループ内での資金集約は大手企業では一般的とのこと。グループ内で資金を効率化できるほか、子会社としては銀行調達より金利が低いなどの利点もあったとのこと。

 

ただ近年は一部株主から「子会社のお金は子会社の成長に回すべきだ」との指摘があるとのこと。

 

 

豆知識: 東芝の預け金、ある意味、東芝への「支援」との見方も一部あった。東芝プラントシステム株主のファンドであるオアシスが大きく文句をいったことで有名。東芝への預け金は株主への説明責任という意味でも少々リスクがあり、資金が引き上げられている。

東芝の預け金に関しては、以前からいろいろいわれてました

 

特に大きく文句を言ったのが、東芝プラントシステム株主であるファンドのオアシス

 

上記日経新聞によると、東芝プラの株主である香港の投資ファンドのオアシスは、東芝プラが信用格付けの低い東芝に低金利で貸し付けていることを問題視資金の預け入れ停止を求める法的措置に踏み切ったとのこと。

 

  • 東芝プラの株主である香港の投資ファンドのオアシスは、東芝プラが信用格付けの低い東芝に低金利で貸し付けていることを問題視

  • 資金の預け入れ停止を求める法的措置に踏み切った

 

ちなみにオアシスは、東芝原発子会社の問題が表面化する以前から文句をいってました

 

東芝プラントは東芝に対してとてつもない額の預け金があったので、これはある意味東芝への支援であるのではないか、といったような形で。

 

株主サイドからしてみれば、この文句は理解できます

 

だって、そんなに巨額な金を預け金に入れておくなら、株主にもう少し還元できるわけです。何のためにそんなに莫大な預け金があるのか、株主にもきっちり説明する必要があるわけです。

 

さらに、現在は東芝本体が危機的状況

 

東芝グループ各社にとっても、東芝本体という信用格付けが低い会社への預け金に対しては、株主から文句が出る可能性がでてくるわけで、少々リスクがともないます

 

減少の理由は各社いろいろ述べてますが、やはりリスク回避といった側面があるのは間違いないでしょう。

 

 

なぜ東芝子会社はグループ各社は東芝へのグループ預け金を急減させているのか。

上記日経新聞によると、東芝グループについては、本体の経営悪化も影響しているもようとのこと。

 

東芝プラは16年3月期末で855億円あった預け金をゼロとしたとのこと。「昨今の状況を考慮して引き出した」(同社)。現預金は882億円(前の期末は64億円)に急増したが現時点で投資などに充てる予定は無いとのこと。

 

ニューフレアも前の期末に310億円あった預け金をゼロにしたとのこと。投資家から「売り上げ規模(前期で477億円)に対してグループ預け金が大きく、投資しづらい」との指摘も出ていたとのこと。

 

  • 東芝グループについては、本体の経営悪化も影響しているもよう

  • 東芝プラは16年3月期末で855億円あった預け金をゼロとした

  • 「昨今の状況を考慮して引き出した」(同社)。現預金は882億円(前の期末は64億円)に急増したが現時点で投資などに充てる予定は無い

  • ニューフレアも前の期末に310億円あった預け金をゼロにした

  • 投資家から「売り上げ規模(前期で477億円)に対してグループ預け金が大きく、投資しづらい」との指摘も出ていた

 

東芝プラントシステムに関しては、投資予定もなく、現金として持ってるだけです。

 

つまり、資金を引き出したにすぎません

 

東芝のグループ各社も東芝本体へ危機感を感じています。

 

東芝はWDとの関係を修復できるのか、東芝はきちんと東芝メモリを高値で売却できるのか、要注目です。

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