ボーイング。世界で最も有名な航空機開発会社です。そんなボーイングが、F2戦闘機の後継機に入札し、我らが三菱重工に共同開発の提案を出したという話。以下、7月16日の日経新聞の記事をまとめ、考察します。

 

 

前提の話

次世代戦闘機の入札に関しては、以下の記事に詳しく書いています。

日本、7月にF3戦闘機の入札準備。総事業費、4兆円規模か。F3は制空権を維持するための次世代戦闘機。世界の防衛企業の高い関心を集めている。

これが基本的な前提の話となります。今回は、この応募にボーイングがして、提案してきたという話です。

 

ボーイング、日本政府と三菱重工業に積極的に提案

上記日経新聞によれば、ボーイングが、日本政府と三菱重工に、航空自衛隊のF2戦闘機の後継機について、ステルス戦闘機の共同開発を提示しているとのこと。なお、英国の展示会においてもボ-イングは日本側とこの件について話し合ったとのこと。

 

  • 米ボーイングが日本政府と三菱重工業に対し、航空自衛隊のF2戦闘機の後継機について、ステルス戦闘機の共同開発を提案

  • 英国の航空展示会「ファンボロー国際航空ショー」でもボーイングは日本側とF2後継機について協議

 

というわけで、ボーイングが積極的にアプローチをかけているのが分かります。

 

早期の政府競技が必要

上記日経新聞によると、ファンボローで日経新聞が取材した際のボーイング防衛部門のバイス・プレジデントである、ジェフ・コーラー氏は、レーダーや電子専用の高度な軍事技術の米国外への移転は米国政府の承認が必要とのこと

 

  • (共同開発の)可能性について日本政府や三菱重工業と話した

  • レーダーや電子戦用の高度な軍事技術の米国外への移転は米国政府の承認が必要

  • 日本が米国の技術を望むなら、日米の政府協議を早期に始める必要がある

 

三菱重工がボーイングと組むメリットは

ここが今回の一番のミソです。ボーイングと組むメリットは何か。上記日経新聞によると、三菱重工は、既に国産ステルス実証機を開発中、4月には初飛行したとのこと。ただ、ステルス性能以外に高性能レーダーや電子専用の技術開発が簡単ではなく、この開発費が1兆円規模になるとのこと。そのため、共同開発の可能性があるとのこと。

 

  • 三菱重工はF2後継機を見据えて国産ステルス実証機を開発中

  • 今年4月に初飛行

  • 第5世代機に必要なステルス性能以外に、高性能レーダーや電子戦用の技術開発は簡単ではない

  • 開発費は1兆円規模に上る

  • 米国との共同開発の可能性

 

前回も書きましたが、私は将来的な武器輸出のことを考えて、日本国内での設計、製造でもいいと思っています。ただ、まぁ三菱さんはいいものを作りすぎてしまおうという魂も持っているので、共同開発という形で、お互いのいい技術をぶつけあい、さらには費用も負担しあい、タイムスパンも100%守るというやり方でも、悪くはないかなと思っています。結局高性能レーダーとかを予算内で自前で作れるほどの技術と経験があるのかっていう話にもなってきます。難しいところです。

 

 

ロッキードも営業中

上記日経新聞によると、F2はロッキードが三菱重工などと共同開発した経緯があるので、ロッキードも営業中だとのこと。なお、航空自衛隊の戦闘機に関していえば、既にF4の後継機がロッキードのステルス戦闘機F35になることに決まっているとのこと。

 

  • F2は米ロッキード・マーチンのF16をベースに1990年代に三菱重工などを含め共同開発した経緯

  • ロッキードも営業活動

  • 航空自衛隊の戦闘機を巡っては、すでにF4の後継機にロッキードのステルス戦闘機F35が決まっている

 

まぁこれを読んで、F35がロッキード・マーチンでもう決まっているから、今回の件はロッキードはないなと思う方。確かにそういう意見もありですが、必ずしもそうとは限らないですね。というのは、前回の私の記事を抜粋すると、

 

防衛省は既にいくつかの企業とコンタクトをとっている

ロイターが事情に詳しい複数の関係者から調べたところ、防衛省は既に

  • 国内の主契約業者となる三菱重工業

  • 米防衛大手ボーイング

  • ロッキード・マーチン

 

これらの企業に対して、戦闘機開発製造計画への参加を求めているようです。

 

というわけで、入札準備にあたって、防衛省はロッキードにも予め、参加するように声をかけているんですよ。だから、可能性はあります。まぁボーイングより可能性は低いとは思いますが。今後に注目です。それでは!

スポンサーリンク