小林氏の発言はけっこう重い。

 

東芝メモリ設立で、技術流出を懸念する声。東芝社外取締役を務める小林喜光経済同友会代表幹事が、米国とこれまでやってきたことを強調、中国企業への売却へのけん制。

日経新聞によると、4月1日に、東芝が半導体メモリー事業を分社し、「東芝メモリ」を設立するとのこと。

 

東芝は東芝メモリの株式の過半を売却するため、技術流出を懸念する声は依然多いとのこと。28日の記者会見で、東芝社外取締役を務める経済同友会の小林喜光代表幹事は、「米国の会社と今までもやってきた」と述べ、中国企業が売却先となるのは望ましくないとの背景があると考えられるとのこと。

 

  • 東芝は半導体メモリー事業を分社し、4月1日に「東芝メモリ」を設立

  • 新会社株式の過半を売するが、高いシェアを持つだけに技術流出を懸念する声は依然多い

  • 東芝社外取締役を務める経済同友会の小林喜光代表幹事は28日の記者会見で「米国の会社と今までもやってきた」と述べた

  • 中国企業が売却先となるのは望ましくないとの背景があるようだ

 

 

余談: 東芝メモリ、各企業がどう動こうが、四日市工場を共同運営する米ウエスタンデジタル(WD)の顔色をうかがう必要があるのは間違いない。東芝メモリ、1次入札締め切り。

29日は東芝メモリの1次入札の締め切り日です。

 

どこの会社がどういう行動をとるにせよ、東芝が一番顔色をうかがう必要がある会社があります。米ウエスタンデジタル(WD)です。

 

ウエスタンデジタルというと、東芝の半導体分社という話が出た時から、もう一番真っ先に最初に名前が挙がってる会社です。まさに、名前が挙がるべくして挙がった会社でもあります。

 

[東芝が米社と出資交渉、交渉相手はあのWD] 東芝が四日市工場を共同運営しているウエスタンデジタル(WD)から出資を受ける交渉。その他のファンドなども関心。東芝が稼ぎ頭の半導体事業を遂に分社する段階にきている

 

以前に上記記事でも書きましたが、ウエスタンデジタルは東芝四日市工場の共同運営会社。莫大な金もこれまで四日市工場に投資しています。付き合いがあるわけですし、一緒にやってきたということもあり、東芝がひっつくには一番「妥当な」相手。

 

問題は、独占禁止法の点について。これをどう対処するのか。ここが課題となっています。

 

その他、競合他社はどうでしょうか。その他の競合他社にいくにせよ、四日市工場共同運営社であるウエスタンデジタルを納得されなければなりません。東芝は東芝で非常にやっかいな立場にいるわけです。

 

鴻海はどうでしょうか。当ブログでも別テーマで何度も取り上げているように、いいか悪いかはおいておいても、鴻海は中国と密接につながってます。

 

では中国に技術が渡るどうなるのか。このあたりは、小林氏の下記の発言を読んでいただきたいと思います。

 

個人的には、ファンドがどの程度おもしろい提案をするのかに注目しています。ただ、ファンドに渡るにせよ、将来的な売却、技術流出の点については徹底的に議論する必要があります。

 

 

東芝社外取締役の小林氏はなぜ東芝メモリでの米社との連携が重要と考えているのか。小林氏は東芝メモリの技術が中国へ流出することに、どのような懸念を抱いているのか。

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上記日経新聞によると、東芝は事業の柱としてきたNAND型フラッシュメモリー事業を売却するとのこと。サーバーなどに使う記憶装置の基幹部材で、機密情報の管理などに重要な役割を果たすとのこと。

 

小林代表幹事が28日に発言したところ、

  • 「中国は今、10兆円近くを使ってNANDフラッシュに力をいれる。サイバーセキュリティー、(あらゆるモノがネットにつながる)IoT、人工知能(AI)のコアテクノロジーだからだ」

 

  • 「重要なテクノロジーを本当に外に単純に手放してよいのかというと、ノーだと思う」

 

  • 「東芝は米国会社と半導体を一緒にやってきたので、そのレベルでいかに(技術流出を)ブロックしていくか」

 

  • (IT(情報技術)を駆使した製造業の競争力革新を指す第4次産業革命にとって、東芝の技術は)「大事なパーツであり(ブロックは)当然考えるべきだ」

 

などとしたとのこと。

 

  • 東芝は事業の柱としてきたNAND型フラッシュメモリー事業を売却する
  • サーバーなどに使う記憶装置の基幹部材で、機密情報の管理などに重要な役割を果たす
  • 小林代表幹事は28日
  • 「中国は今、10兆円近くを使ってNANDフラッシュに力をいれる。サイバーセキュリティー、(あらゆるモノがネットにつながる)IoT、人工知能(AI)のコアテクノロジーだからだ」
  • 「重要なテクノロジーを本当に外に単純に手放してよいのかというと、ノーだと思う」
  • 「東芝は米国会社と半導体を一緒にやってきたので、そのレベルでいかに(技術流出を)ブロックしていくか」
  • IT(情報技術)を駆使した製造業の競争力革新を指す第4次産業革命にとって、東芝の技術は「大事なパーツであり(ブロックは)当然考えるべきだ」との見解を示した

 

サイバーセキュリティーやAI,IoTなどとも絡めて話を展開しました。

 

そういえば以前にお伝えした、IoT国際競争力ランキングでも中国は日本より順位が1つ上の2位でした。けっこう力入れてやってるわけです。

 

小林氏は東芝の社外取締役です。重要な場で発言をする権限のある方です。そもそも小林氏自体、慎重に説得しないといけないような大物でありますし、やはり発言にはある程度の重みがあるといえるでしょう。

 

東芝メモリのゆくえに要注目です。

 

[更新] ウエスタンデジタルは原則、他社への売却を認めず

ウエスタンデジタルを納得させなければならないと上記でも書きましたが、どうもウエスタンデジタルは納得していないもよう。

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