SKハイニックスは鴻海よりもある意味で不気味。
過熱する東芝メモリ買収合戦。
私の方もけっこう多くの記事を書いています。ちなみに今回の買収戦で私の立場としては、「現時点では」東芝社外取締役の小林氏に似ていると考えていただければと思います。
[東芝社外取締役の発言は重い] 東芝メモリ、経済界は技術流出を懸念。東芝社外取締役で経済同友会の小林喜光代表幹事は日米同盟について触れる。東芝メモリ1次入札締め切り日。
だからこそ、小林氏の社外取締役としての役割に期待しているというのがあります。
さて、今回のテーマはSKハイニックス。SKハイニックスも東芝メモリの1次入札に応札しています。
下記で書きますが、私が思うにこの会社、鴻海以上にちゃっかりしています。鴻海の方に関心がいきやすいですが、SKハイニックスのマークは外してはならないと思います。
SKハイニックスの狙いは何なのか、いったいなぜこの会社は鴻海以上にマークしないといけないのか、考察してみましょう。
韓国SKハイニックスの崔泰源(チェ・テウォン)会長が東芝の経営陣に面会へ。SKハイニックストップ自ら交渉し、東芝や日本政府に誠意を示す狙いか。
日経新聞によると、韓国SKハイニックスの崔泰源(チェ・テウォン)会長は、24日ごろ訪日して東芝の経営陣に面会するとのこと。
崔会長は韓国3位の大手財閥、SKグループの創業家会長でもあり大型M&A(合併・買収)案件の交渉で全権を握るとのこと。
東芝の半導体メモリー事業に買収提案している韓国SKハイニックスの崔泰源(チェ・テウォン)会長は、24日ごろ訪日して東芝の経営陣に面会する
崔会長は韓国3位の大手財閥、SKグループの創業家会長でもあり大型M&A(合併・買収)案件の交渉で全権を握る
トップ自ら交渉に出向き、東芝や日本政府に誠意を示す狙いとみられる
何が不気味かを考察する前に、まずはSKがどのように今回の買収戦に挑もうとしているのか、ここを見てみます。
韓国SKハイニックスは、どのように東芝メモリ買収をしようとしているのか。SKハイニックスはベインキャピタルと連合を組むか。
上記日経新聞によると、SKは2次入札に向けて米ベインキャピタルと連合を組む検討も始めたとのこと。
SKと東芝は次世代半導体の開発で協力関係にあるが、SK側は韓国企業による買収に対して日本側に抵抗感があると分析しているとのこと。
東芝の半導体の主力拠点である四日市工場への投資や雇用を守る方針を説明して理解を求めるとのこと。
SKは2次入札に向けて米ベインキャピタルと連合を組む検討も始めた
SKと東芝は次世代半導体の開発で協力関係にあるが、SK側は韓国企業による買収に対して日本側に抵抗感があると分析している
東芝の半導体の主力拠点である四日市工場(三重県四日市市)への投資や雇用を守る方針を説明して理解を求める
考察: SKハイニックスは東芝メモリ買収戦での戦い方がよく練られている。SKハイニックスは鴻海と近いのに、鴻海とは組まず、ベインキャピタルと組むことに決めた。崔泰源(チェ・テウォン)会長のやり方は不気味。鴻海と違い、前面に出てこずに、SKハイニックス色を少しでも消す手法はどういう結果になるか。
さて、私の今回の買収の意見は上記で述べたとおり。
つまり、SKハイニックスが東芝メモリ買収に参加する意味を疑問視している立場です。
ただ、SKハイニックスのこれまでのやり方を見る限り、ひょっとしたら鴻海以上にSKハイニックスの崔泰源(チェ・テウォン)会長が不気味に思えてくるわけです。
まず思い起こしてみてください。
鴻海は当初、東芝メモリ買収でSKハイニックスと組もうとしていました。鴻海がSKハイニックスに共同出資を打診したというあの話です。
この両社はもともと近いわけです。近いも何も、鴻海はSKグループに出資までしているという話でした。
よって、この鴻海の動き自体は理解できなくもない動きだったわけです。
ただ、もしこの2社が組めば、それこそ買収は遠のくと私は感じていました。要は、世論だけでなく、日米政府としても、それこそ風当たりを強くして絶対に売らないという立場になるだろうと考えたからです。
しかし、結果はどうなったか。
鴻海と近いにも関わらず、SKハイニックスは、鴻海とは組んでいません。
そして現在、ベインキャピタルと組むという話が出ているわけです。
このやり方は、正しいです。
鴻海と連合を組まないことで、少しでも逆風を避けることができる。
さらに、ベインキャピタルという米国のファンドと組むことで、米国色を出して、SKハイニックス色を消すことができる。
さらに、SKハイニックスは、日本側がSKハイニックスに抵抗があると分かっているとしています。
つまり、自らのポジションを分かっているわけです。
だから、このような選択肢をとったと考えられます。買収のやり方としてはよく練られています。だからこそ、マークしなければならない会社なわけです。
四日市工場の雇用と投資は残す、という話も、よく練られています。
だって、四日市工場への投資はやめますよ、といったらどうでしょうか。その時点でもうアウトなわけです。このあたりも、この会長は分かってるんでしょう。
しかし、鴻海とはやり方がまったく違います。露骨にやってる鴻海は不気味ですが、SKハイニックスのやり方は、ある意味でもっと不気味だといえます。
なぜ韓国SKハイニックスのトップである崔泰源会長自らが東芝メモリ買収のため、日本、そして、東芝を訪問するのか。
上記日経新聞によると、トップ自ら交渉に出向き、東芝や日本政府に誠意を示す狙いとみられるとのこと。
SK関係者は「東芝メモリの買収は日米の安保や外交問題が絡む案件」としており、崔会長が日本政府関係者と接触する可能性もあるとのこと。
買収提案企業のトップが、先月の1次入札実施後に東芝を訪問するのは初めてとみられるとのこと。
トップ自ら交渉に出向き、東芝や日本政府に誠意を示す狙いとみられる
SK関係者は「東芝メモリの買収は日米の安保や外交問題が絡む案件」としており、崔会長が日本政府関係者と接触する可能性もある
買収提案企業のトップが、先月の1次入札実施後に東芝を訪問するのは初めてとみられる
いったい東芝サイドとどのような話をするのか。今後もSKハイニックスに注目となります。