とんでもない影響力。
今回の結論は、日経新聞が試算した計算では、公的マネーが東証1部上場企業の4社に1社の筆頭株主である、という点です。以下、見ていきます。
そもそも日経新聞がいう公的マネーとは何か
まぁいったい何の話をしているのか正確に理解しないと意味がないんで、そもそも公的マネーとは何ぞや、から入ります。
日経新聞によると、公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)と日銀を合わせたものが公的マネーであるとのこと。
公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)と日銀を合わせた公的マネー
公的マネーは東証1部上場企業の4社に1社の実質的な筆頭株主。東証1部の約1970社のうち4社に1社にあたる474社の筆頭株主。
上記日経新聞によると、日本経済新聞社が試算したところ、公的マネーが、東証1部上場企業の4社に1社の実質的な筆頭株主となっていることが分かったとのこと。東証1部の約1970社のうち4社に1社にあたる474社の筆頭株主とのこと。
日本経済新聞社が試算
公的マネーが、東証1部上場企業の4社に1社の実質的な筆頭株主
東証1部の約1970社のうち4社に1社にあたる474社の筆頭株主
これは実におもしろい。というのも、この公的マネーは株主名簿に載っていないデータですから。
これはなんでかというと、上記日経新聞によると、GPIFと日銀は信託銀行などを通じて間接的に株式を保有するからです。
GPIFと日銀は信託銀行などを通じて間接的に株式を保有
ここはさらっと書かれてますけども、具体例を私の過去の記事から少し見てみましょうか。私の方では以前、以下の記事を以前書きました。
[びっくりニュース] 三井住友信託銀行などがトヨタ株を5.08%取得。安定株主としての長期投資目的が狙い。日銀の影響か???トヨタにとってはロボットの件もあるので、いいニュース
この記事では、2015年2月、日銀の「指数連動型上場投資信託受益権等買入等基本要綱」に基づく受託者に選ばれた、三井住友信託銀行が、トヨタ株大量買い付けの際に動いた可能性、について書いています。
ここで、ETF発行の際の現物の裏付けとして、トヨタ株が買われた可能性があるという話でした。信託銀行を通じて日銀がトヨタ株を買った可能性があるということです。
さて、本題を今回のテーマに戻します。
日経新聞は、どのように公的マネー(GPIFと日銀)の保有株式数を試算したのか
上記日経新聞によると、GPIFによる保有銘柄の公表データや、日銀が購入するETFの銘柄構成比を組み合わせて、日経新聞が独自に試算したとのこと。
GPIFによる保有銘柄の公表データ
日銀が購入するETFの銘柄構成比を組み合わせて
独自に試算した
大変興味深い試算ですね。
公的マネー(GPIFと日銀)は東証1部全体で株式保有率が7%強。日本生命の2%を上回る。海外と比べても大きいか。
上記日経新聞によると、東証1部全体でみると株式保有比率は7%強とのこと。国内の民間株主では最大の日本生命保険(約2%)を大きく上回るとのこと。
政府の市場介入を嫌う風潮が強い米国では、公的部門の株式保有比率はほぼゼロとのこと。国営だった企業が多く上場している欧州でも同比率は6%未満とのこと。
東証1部全体でみると株式保有比率は7%強
国内の民間株主では最大の日本生命保険(約2%)を大きく上回る
政府の市場介入を嫌う風潮が強い米国では、公的部門の株式保有比率はほぼゼロ
国営だった企業が多く上場している欧州でも同比率は6%未満
公的マネー(GPIFと日銀)の株式保有額は。日銀がETFを年間6兆円買うと、日経平均を2000円程度押し上げる効果があるとも。
上記日経新聞によると、GPIFと日銀の株式保有額は3月末で約39兆円と5年前の11年3月末比で約25兆円増えたとのこと。
この間に日経平均株価は約7割上昇し、株価の押し上げ効果は大きいとのこと。野村証券の松浦寿雄チーフストラテジスト曰く、日銀がETFを年間6兆円買うと、「日経平均を2000円程度押し上げる効果がある」とのこと。
GPIFと日銀の株式保有額は3月末で約39兆円
5年前の11年3月末比で約25兆円増えた
この間に日経平均株価は約7割上昇
株価の押し上げ効果は大きい
日銀がETFを年間6兆円買うと、「日経平均を2000円程度押し上げる効果がある」(野村証券の松浦寿雄チーフストラテジスト)
公的マネーが増える懸念要因は。パッシブ運用とETF売却という出口。
上記日経新聞によると、公的マネーは企業を選別せず、株価指数に沿って広く薄く投資するパッシブ運用が中心とのこと。その比率は日銀が9割超、GPIFも8割超にのぼるとのこと。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の芳賀沼千里チーフストラテジスト曰く、経営の規律が弱まり、企業統治の面でも問題が大きい、とのこと。
また、上記日経新聞によると、債券と違って株式には満期がないため、日銀は金融緩和の「出口」に向かう過程で保有するETFを売却せざるを得ないという問題もあるとのこと。
ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジスト曰く、企業分析を重視する普通の投資家は手を出しにくくなるとのこと。
公的マネーは企業を選別せず、株価指数に沿って広く薄く投資するパッシブ運用が中心
その比率は日銀が9割超、GPIFも8割超にのぼる
「経営の規律が弱まり、企業統治の面でも問題が大きい」と三菱UFJモルガン・スタンレー証券の芳賀沼千里チーフストラテジストは指摘
債券と違って株式には満期がない
日銀は金融緩和の「出口」に向かう過程で保有するETFを売却せざるを得ないという問題
「企業分析を重視する普通の投資家は手を出しにくくなる」(ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジスト)
上記分析をまとめてしまいましょう。上記のような懸念はなぜでているのか。
それは、公的マネーがパッシブ運用など中心に動くことで、市場の機能(原理)がうまく働くなくなってしまうという懸念があることからでているものでしょう。
公的マネーの影響力の大きさを考えれば、うなずける点でもあります。
夢があり長期資金を本当に必要としている会社に多く投資してもらえないか
パッシブ運用が中心ということですが、やはり夢があり、長期資金を本当に必要としている会社を保有してもらいたいですね。それが、将来的な日本という国家の発展にもつながるかと思います。